取り残された街

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RICOH GR



撮影日時 2015年09月18日 13時37分39秒
シャッタースピード 1/125
絞り F5.6
撮影モード 絞り優先AE
露出補正値 +0.3
感度 ISO100
焦点距離 18.3mm(35mm換算27.9mm)
測光方式 多分割評価測光
記録方式 RAW
現像ソフト SILKYPIX Developer Studio Pro
最終仕上げ Photoshop CS5


「被災地」と一言で括られてしまいがちだが、その様相は地域や自治体によって全く違う。
そして、この街に入った時のあの胸を締め付けられるような焦燥感にも似た感情は、今でも忘れられない。
この街はあの2011年当時のまま、まるで時が止まってしまったようだった。

津波という自然の脅威に打ちのめされ、そして、一部の傲慢な人間たちによって復興も叶わず取り残されてしまった街…
私はこの街の時間を止めた者たちを許すことができない。

※富岡町は一部、避難指示解除準備区域となりましたが、高い放射線量のため未だ町全域が居住を制限されています


福島第二原発が臨める場所を探して通りかかった富岡町の駅前通です。
車のフロントガラス越しなのでちょっと緑被ってますが、補正せずそのままです。
そのほうが街に入った時のあの異様さが伝わるような気がしたので…

駅前通ですが除染作業員らしき人がぽつぽついるだけで、それ以外は人の気配はありません。
駅前で車を停めていたら、町の職員と思しき人が怪訝そうにこちらを見ていましたが、まあ、余所者が興味本位でズカズカと土足で入り込んできたらいい気はしないですよね…
そんなことは承知しているのですが、どうしてもこの目で見ておきたいという欲求が勝ってしまったもので…

町は現在、町民の帰還に向けて除染作業を進めています。
こうした動きに対し賛否両論あるかと思いますが、私は反対です。
そもそも除染作業と言っても町全体の土をかっさらって除染するなどムリなわけで、全ての土地を除染できないならばたとえ人間の居住地域だけ除染できたとして、放射能を帯びた土は風で飛んで来るわけで、結局はイタチごっこになるのは目に見えている。
ならばいっその事、町は閉鎖して、町民は新たな土地で再スタートを切れる方向にリソースを注いだ方が良いと思うのです。
除染作業でゼネコンに流れるお金をそっちに向ければ、かなりの支援ができるのではないでしょうか。

しかしながら、それでも町に戻りたいという人達を、私は責めることができません。
多分、もし私がこの街で生まれ育ったならば、きっと私はそれでも戻りたいと思うだろうから…

国と電力会社、原子力関係者の罪は重い。

by ki_ex | 2016-03-11 23:23 | 街並 | Comments(0)