忘れられない

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OLYMPUS E-PL1s & M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II
撮影日時 2011年05月13日 12時13分37秒





「東北を忘れない」というキャッチコピーが目に入った。
私にとって、あの日見た東北の光景は、多分一生忘れることができない。


震災から2ヶ月後に福島県を訪れた時の写真です。
当時は浜通り沿いに北上した場合、この広野町が一般人が入れるぎりぎりの場所でした。
このときはまさに筆舌に尽くしがたい光景だったこの街も、数年後に訪れた際には徐々に復興が進み、少しずつではあるものの日常生活が戻ってきているようにも見えました。

この日は当然、カメラは持っていってはいたのですが、正直あまり多くのカット数は撮れていません。
なんだかまるでシャッターを押すたびに他人の傷口に土足であがりこんでるような気がしてしまって、なかなか撮る気になれませんでした。
この地を訪れてみたいというのも、結局は私の興味本位のエゴですから…

今になって思えば、そのエゴを押し通してでも撮っておけばよかったかな…とは思っています。
その一方で、本当にそれでもいいのかという葛藤はあって、未だその葛藤に対して明確な答えは出せていません。

東日本大震災で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りするとともに、震災で大切な人を亡くされた方々、今も不便な生活を強いられている方々に少しでも早く、多くの幸が訪れることをお祈り申し上げます。

by ki_ex | 2021-03-10 22:55 | スナップ | Comments(2)

Commented by jinsnap_2 at 2021-03-11 00:46
こんにちは。
お気持ちわかります。
年月が経つと薄れて行ってしまう記憶と新たな世代の誕生が繰り返され、得た教訓でさえ忘れられてしまうかも...、そう思うと記録や伝えることは必要と思えるようになりました。
ただその場に立つと、やはり仰るような気持ちが湧いてくるのは事実で複雑な気持ちは今でも変わりません。
Commented by ki_ex at 2021-03-11 23:27
>jinsnap_2さん
もし、今の自分だったら「数年後に必ず貴重な記録になるから…」と自分を納得させて撮ってたような気がします。
でも、当時はあまりの衝撃にそんなことを考える暇もなく、撮れなかったのですよね…
本当に難しいです。