木漏れ日の下で

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OLYMPUS E-30 & ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 MACRO



シャッタースピード 1/250
絞り F2.8
撮影モード 絞り優先
露出補正値 ±0.0EV
感度 ISO200
焦点距離 50mm(35mm換算100mm)
測光方式 評価測光
記録方式 RAW
現像処理 SILKYPIX Developer Studio Pro (Adobe DNG Converter併用)
WEB最適化処理 Photoshop Elements 6.0


先日はE-30が届いたのが夕方という事もあり、あまりいじり倒すことができなかったのですが、今日は私の日頃の行いがいいせいか(笑)朝から快晴でしたので、早速あれこれいじってみました。
ということで、先日に引き続いてE-30の感想などを…

結論から申し上げると、このE-30、今からフォーサーズ機に手を出そうと考えていらっしゃる方がいたら、間違いなくこのボディを推します。
それくらいによくできたカメラです。
現行フォーサーズ機の中では間違いなく一番です。
はっきり言って、特別な理由がない限り(例えば防塵防滴じゃなきゃダメとか、ファインダーが大きくなきゃダメとか…)他のボディを選んじゃダメ、と言っていいくらいのような気がします。

ただ、じゃあ、今現在フォーサーズ機を使っておられるユーザーさんがこのE-30に乗り換えるべきかというと…ちょっと微妙…
特にE-520を使っておられる方なら、乗り換えもお勧めできるかと思いますが、既にE-3を使っている方や、E-420の軽量コンパクトさに惹かれて愛用されている方には、あまり強くお勧めするのはどうかな~…というのが正直な感想です。

このE-30、総じてみると、期待通りだった部分、期待以上だった部分、期待外れだった部分が明確に現れたように感じます。
既存ユーザーにあまり強くお勧めできないというのはこの期待外れだった部分が理由で、これだけ完成度が高いならもう少しこのあたりがんばってもらえたらよかったのにな~…というのがちょっと悔やまれるところです。
もっとも、このあたりはE-3後継機で実現してくれるとは思うのですが…

期待外れだった部分で一番大きいのは、やはりファインダーでしょうか。
このクラスならもう少し良質なファインダーを奢ってもいいのかな~…という気がしてなりません。
まあ、確かに入門クラスのAFオンリーでの使用が前提のファインダーに比べれば全然良いのですが…
まず問題なのは、先日もご報告させていただいた上下方向のケラレ。
左右方向に関しては視点を動かしてもほとんどケラレることがないのですが、上下方向はどう覗いてもケラレます。
私がメガネをかけているせいもあるかもしれないですが、E-420ですら接眼の仕方を注意すればこんなことはありませんので、何故にこのような仕様にしたのか…ちょっと残念です。

大きさ的には私的にはOKなのですが、もう少し大きくてもよかったかな~…という気もします。
アイポイントが長めに取ってあるので、ちょっと心配だったのですが、残念ながらその心配が的中してしまった、というところでしょうか。
ピント合わせのしやすさについてももう少し、というところでしょうか。
MFはできないことはないのですが、E-1のように「小さくてもピント合わせしやすいファインダー」を望んでいたのですが、こちらも残念ながら実現できなかったようです…

このあたりは販売戦略的にあえて落としてきたのですかね~…
確かにファインダーまで良質となると、E-3の存在意義そのものが危うくなってしまいますので、あえてこのような仕様にしたのではないかと変な勘ぐりを入れてしまいそうになります…
まあ、メーカーも商売が成り立たなければ存続そのものができませんので、こうした戦略を否定するつもりはないのですが、ユーザーとしてはちょっと複雑な気分…

ただ、そんなファインダーでもこれまでのフォーサーズ機になかったメリットというのもあって、アイポイントが長いことの効能で、多少ラフな接眼でもファインダー像がずれることがありません。
まあ、多少はずれるのですが、E-3がちょっと視点をずらすとフレーミングが変わって見えたり、AFポイントがずれて見えたりするのですが、今のところそうした現象は発生していません。
ここがE-30のファインダーの唯一の美点でしょうか。

後は、期待はずれというか、未だ私が癖を掴みきれていないだけかもしれないですが、E-3に比べてAFが迷うシーンが多いように感じます。
E-3と同じAFユニットを使用しているだけあって、暗い環境でも良く合ってくれるのですが、被写体のターゲットのコントラストが弱かったり、手振れした状態でAFロックしようとすると、迷った挙句あきらめてしまいます。
もしかしてターゲットサイズをスモールに設定しているからなのか、個体差なのか、出荷時からAFセンサーに汚れでも付着しているのか…
このあたりはしばらく様子を見る必要がありそうです。

続いて、期待通りだった部分ですが、これはなんといってもユーザーインターフェースですかね~…
予てからE-420のインターフェースがお気に入りだっただけに、当然、これを基本にしてくるだろうと思っていましたが、ちゃんとバッチリ使われていました。

なんといっても、スーパーコンパネのカーソル位置を覚えていてくれるのはとてもありがたい。
E-3以前は電源を切ったり、スリープに入るとスーパーコンパネのカーソル位置がリセットされてしまっていたのですが、E-420以降はちゃんとカーソル位置を覚えていてくれるので、頻繁に使う機能がすばやく呼び出せてとっても使いやすい。
本当に些細なことなのですが、その些細なことが嬉しいんですよね~…

また、E-420には搭載されていなかった「fn」キーへのAF/MF切り替え機能が搭載された上、E-3では、この機能を使ってMFに切り替え後、電源を切ったりしてしまうと、「fn」キーでAFに戻れなくなるというなんとも片手落ちな機能だったのですが、E-30ではこのあたりも改善され、電源を切ってしまってもちゃんとAFに戻ってくれます。
私にとってはこの機能は一番頻繁に使う機能だけに、この仕様変更はとっても嬉しい。

あとは、撮影モードの選択がダイヤルになったというのも私にとっては嬉しいところでしょうか。
そもそも、ボタンで撮影モードを切り替えるというのは、古くはEOS 1Nの頃から違和感を感じておりましたので、これもやっぱり嬉しいですね~…

ついでにユーザーインターフェースの話が出たのでちょっと蛇足…
発表ではAFターゲットがカーソルキーで動かせるようになったことをアピールしておりましたが、これについては私にはあまりメリットは感じられないでしょうか…
まあ、確かにターゲットがすばやく動かせるというメリットはあるかもしれないですが、私の場合、ダイヤルでの操作に慣れてしまっているのと、そもそもどのAFターゲットを使うかは構図を考えながら決めるので、そんなすばやく動かせてもあまりメリットはないですし…
そもそもボタンを押してから動かす操作も慣れてしまえばそれほどもたつかないですからね~…
現に、サーキットに持ち込んで動き物相手の撮影でも不便は感じなかったですし…
一応、「やっぱりメリットあるのかな~」と思って今日一日この設定でいじっていましたが、やっぱりメリットは感じませんでした。
年明けにE-3もファームアップでこの機能が追加されるようですが、この機能を追加するくらいならスーパーコンパネのカーソル位置を覚えておいてくれるような仕様変更の方がありがたいのですが…
それか、上記のAF/MF切り替えの仕様変更とか…

ちょっと蛇足が長すぎました。

期待通りのユーザーインターフェースに次いで、もう一つ期待通りだったのは、やっぱりそのボディバランス。
E-3とほぼ同じ内部ユニットを使用しながら、外装をエンジニアリングプラスチックに変更するなどして軽量化が図られているため、E-3に比べるととても軽く感じます。
また、E-3は大きなファインダーによりトップヘビーの傾向が強く、撮影時間が長いと意外と疲労度が馬鹿にならないのですが、E-30はこのあたりのバランスもよく、とても快適です。
特に今日メインで使用した50マクロとの相性は抜群で、あまりの快適さに気が付けば8GBのCFカードを1枚潰してました。
E-3に比べて若干グリップ形状に違和感があるのと、軽量化の弊害でミラーショックがちょっと気になるというのもあるのですが、そもそもフォーサーズ機は全般的にミラーショックは少ないですので、撮影時に問題になることは少ないと思いますし、慣れてしまえば気にならないかと思います。

ミラーショックの話が出たついでに、シャッターのフィーリングについては可もなく不可もなくというところでしょうか。
E-1のような上質さは感じないですが、E-420のような安っぽさも感じない。
E-3同様、スピード感があって頼もしいフィーリングではあるのですが、プラスチック外装のためか、E-3に比べると若干粗雑さは感じます。
まあ、でも前述のようにフォーサーズのシステム自体、シャッターのフィーリングで悪いとか問題になるというようなものはありませんので…

最後に期待以上だった部分についてですが、これはなんといっても画質です。
高感度の良さについては先日も触れましたが、低感度についても完全にE-3、E-420を凌駕しています。

尚、画質については未だ私のデフォルト環境で確認ができていないので、あくまでも現時点での評価です。
方法としては、撮影したRAWデータをAdobeのDNG Converter 5.2(ちなみに、こちらはE-30はベータ対応です)で一旦DNGに変換後、SILKYPIX Developer Studio Proで現像しております。
ですので、そのあたりを念頭に置いた上で読んでいただければ…

まず一番に実感できるのは、ダイナミックレンジの広さ。
これはちょっと驚きです。
元々フォーサーズ機はダイナミックレンジの狭さが泣き所でしたが、見る限り他社のAPS-C機と比べてもかなりいい線行っているのではないでしょうか。
ダイナミックレンジの広い狭いに関しては、絵造りの問題であるため、広ければいいとはいえないのですが、レンジ感のあるカットをコントラスト強く仕上げるのは比較的簡単にできますが、レンジ感のないカットにレンジ感を持たせるのはかなり難しい。
なので、ダイナミックレンジが広がることで絵造りの幅も広くなり、仕上げるのも楽しくなってきます。

また、面白いのは、一番レンジ感を感じるのはISO200以上の感度で、ISO100~ISO160でも従来のフォーサーズ機と比べるとレンジが広がっているようには感じるのですが、ちょっとコントラストの強い仕上がりになります。(厳密に計ってはいないですが、感覚的には2/3段くらいの差はありそうです)
なので、シャドーノイズの出方、解像感、レンジ感といった、画質を決定付ける各要素を考慮すると、ISO200が一番良好な結果が得られるように感じられます。
発売前、価格.comなどの掲示板で、「E-30の基準感度はISO200なのでは?」という噂が流れていましたが、これはあながち嘘ではないかもしれません。

ただ、じゃあ、ISO100が拡張感度で、ISO200に比べて画質が劣るのかというとそんなことはなくて、むしろ解像感最優先での仕上げがしたい場合にはISO100の方が抜群にいいです。
また、レンジ感の広い絵はともするとメリハリに欠ける仕上がりになることもありますので、高コントラストでシャキッとした絵造りがしたい場合はISO100を選択したほうが好結果が得られそうです。

ようは、それまで感度の設定はある種高いシャッタースピードを得るための手段としてしか使われていなかったと思いますが、そうではなく、絵造りの手段として使えるということで、まるで一つ撮影の楽しみが増えたようなお得感を感じます。

高感度については先日申し上げた通りなのですが、今日、改めて使ってみて、ISO400までは何も気にせず使えそうです。
「何も気にせず」というのは、現像段階でノイズ処理等行う必要なくということで、この条件で仕上げた絵を見ても、これまでのフォーサーズの常識で考えるISO400の絵とは雲泥の差と言ってもいいかもしれません。
それ以上の感度については今日は試せていないのですが、先日のテストの結果を見ると、ISO800ではちょっと気になるかな~…程度、ISO1000を超えたあたりからちょっと強めにノイズ処理かけたほうがいいかな~…くらいで、条件が揃えばISO2000でも行けるかもしれません。

う~ん…まさかここまで良くなっているとは…

確かに感度が上がれば上がるほど、低速シャッターではノイズが目立ってくる傾向にはあるのですが、ある程度光量が得られる環境ではほとんど気になることはなく、むしろ絵造りの違いと認識してしまっていい程度です。
何故にここまで良くなったのかな~…と分析してみると、これまでのフォーサーズ機では感度を上げれば上げるほどコントラストの低下、解像感の低下が顕著に見られたのですが、これがほとんど発生しません。
これがかなり効いているようです。
特にコントラストについては、ISO200以上は目で確認する限り最高感度のISO3200まで一定に感じられ、絵的に破綻することがない。
むしろ絵的に安定していてノイズだけが増えていくような印象ですので、ノイズを生かした仕上がりにしたい時はビクビクせずに思いっきり感度を上げられ、まさしく「絵造りのための感度調整」という印象を強く受けました。

ついでにまたまた蛇足ですが、このところの傾向として、高感度ノイズをまるで親の敵の如く言われるのを目にしますが、私はこれには疑問を感じます。
一部メーカーでは無理なノイズ消しが災いして、絵的に疑問符の残る仕上がりになっているものも眼にしますが、私的には感度に比例してノイズが増えてくれたほうが面白いかな~…と感じるからです。
そんなにノイズが嫌なら、しっかりした三脚に乗せて、低感度で低速シャッターを切ればいいだけの話ですからね…
なので、長時間露光時のノイズは徹底して排除して欲しいところですが、高感度ノイズについては感度に応じて増えてくれたほうが絵造りの幅が広がって面白いと思うのですよね~…

ということで話を戻すと、かなりの進化を遂げた画質ですが、全然問題ないのかというと残念ながらそうでもなくて、今日の撮影ではISO100での白飛びした箇所に若干の問題が見受けられました。
※追記:この問題に関しては、SILKYPIX Developer Studio ProがE-30に正式対応した事で解消されました。(詳しくはこちらを参照ください)
また、JPEG撮りのデータではこの問題は確認されておりません。

E-410の時に発生していたのと同じ問題なのですが、何故かISO100の時に限って白飛びした箇所の境界部分に嫌な境界線が発生します。
もしかしたらAdobeのDNG Converterの問題である可能性もあるのですが、ISO200以上の感度では全く発生しないことを考えると、カメラ自体の問題なのでしょうね…
SILKYPIXでなら簡単に補正できるのでいいのですが、それ以外の環境で使われている方はもしかしたら補正に苦労するかもしれません。
そのことを考えると、「補正が苦手」という方はISO200を基準としたほうが安全のようにも感じました。

もしかして、オリンパスの公式サンプルが全てISO200で撮影されていたのはそのためなんですかね…
それにしても、あのサンプルはないよな~…
あれでどれだけ不安の日々を過ごす羽目になったか…
あれはちょっと早いところ差し替えて欲しいですね~…

ということで、だらだらとE-30の感想を書き連ねてしまいましたが、結果、じゃあE-30がメイン機になるのかというと、それについては問題ないのではないかと思います。
ただ、じゃあE-3とリプレースする価値があるかというと…
う~ん…難しいですね~…
正直、今の段階では判断しかねます。

画質だけで考えれば、正直もうE-3を使う必要性はないと言っていいかもしれないですが、それ以外の部分ではぽつぽつとE-3にアドバンテージがある部分も見受けられますので、そのあたりをどう捉えるかで結果は代わってくると思うのですが…
一番の問題であるファインダーも、まあ、これはこれで決して悪くはないと思うのですが、E-3の快適なファインダーを捨てきれることができるのか…
いざという時のためにとっておきたいという気もしますし、いっそのことE-30に完全に切り替えてしまったほうがすっきりしていいような気もしますし…

う~ん…
世の中上手くいかないもんですね~(笑)

by ki_ex | 2008-12-22 00:14 | 名所・旧跡 | Comments(4)

Commented by gengen at 2008-12-22 20:32 x
E-30ご購入おめでとうございます。そしてさっそくのレポート大変興味深く拝読しました。

今回は何とか発売前予約だけは我慢したのですが、いつまで耐えれるのか心配です(財布も心配です)。

アートフィルターも、一度使い始めると習熟するまでは使うでしょうし、習熟したらしたで、Art Filter其々がふさわしい場面に合わせて撮影に出かけるでしょう。撮影を楽しくする機能であることには間違いありません。

過去を振り返っても、ごみ取り、ライブビュー、といった機能はメジャーメーカーのユーザーには当初は全く評価されず、時がたつにつれて定着していったことを考えると、このアートフィルターも時間の経過とともに標準仕様になっていく気がします。E-30、出だしの期待が高くないようですが、その分、案外息の長い売れ方をするのではないか、そうであってほしいなと思います。特にフルサイズで食傷気味になったユーザーには、新鮮なAlternativeになるかもしれません(そういう意味では、オリのMFTではEVF無しだが、アートフィルター搭載くるかもしれませんね。)
Commented by hiro-jt at 2008-12-22 23:35
こんばんは。
全くその通り、私がブログで書く事が無くなりました、直リン貼ろうかと思っています。(笑)
ダイナミックレンジは本当にびっくりでした、ISO100と200で同じカットでこうも違うかと、ただし基準露出がE-3比1/3〜1/2程度高くなっている気がします、それだけハイライト側に自信があるのでしょうか、それ故ISO100では-1/3が基準になりそうです、私的には。
出てくる画のレベルがレベルだけにボディの中途半端さが悔やまれます、大事なところが一歩足りないですよね。
E-1使いとしてはE-1のボディにこの性能(当然ですが固定モニター、ストロボレス)でリリースしてくれた方が良かった。(爆)
E-3のサブとしては成立するけれども、E-xxxのステップアップにはとがりすぎですねきっと。
Commented by ki_ex at 2008-12-23 00:08
>gengenさん
長文、駄文にお付き合いいただきありがとうございます。(^^ゞ
アートフィルターはまだあまり使えていないのですが、ちょっと使ってみた感触ではなかなかよさそうですよ~^^
確かに、各メーカーも差別化を図るためにあれこれ試行錯誤しているようですが、撮影の幅を拡げるという点でアートフィルターは動画機能よりも魅力的に感じるので、もしかしたら他メーカーも追随するかもしれないですね~…

>出だしの期待が高くないようですが
オリンパスはこういうパターン多いような気がしますね…(笑)
E-30の美点がマーケットで理解されればもっと評価は上がってくると思うのですが…
仰るとおり、息の長い売れ方…して欲しいですね~^^
Commented by ki_ex at 2008-12-23 00:16
>hiro-jtさん
是非、お願いします。(笑)
基準露出、私はそこまで気がつかなかったのですが、先日撮影したカットの撮影データ見返してみると確かにその通りかもしれないですね~…
私の場合、E-3ではプラス1/3~2/3くらいが多いのですが、先日は露出補正なしのカットが多かったです。
こういうところに気がつけないあたり、まだまだ修行が足りないですね…(^^ゞ

>E-1のボディにこの性能
いや、それ、私も是非欲しいです。
それだったら、E-3より高くても買うと思います。(笑)